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株式会社エミリンク

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対談

小原院長の”いま一番気になる人・仕事”スペシャル対談
2016.08.02 中野満知子×小原忠士

平成2年の開院以来、25年間にわたり地元連島を中心に多くの住民の方から信頼を頂き、皆様の健康に貢献してきた小原整骨院。その小原院長が“いま一番気になる人・仕事”というテーマで、ゲストの方と対談をして頂きました。今回は、自尊感情回復ガイドであり、アサーティブトレーナーの中野満知子さんをゲストにお招きし、自尊感情や、アサーティブによるコミュニケーションの効果について語り合って頂きました。(2015年9月21日(月)小原整骨院にて)

「自分の感情を相手にぶつけるのでも、その感情を飲み込むのでもなく、自分の要求や気持ちが相手に「伝わるように」伝える、ということ。」

中野 満知子
(オフィス「想」ネットワーク 代表)

1951年7月生まれ。1995年にアサーティブネスと出会い、NPO法人アサーティブジャパンの立ち上げにかかわり、12年間事務局長を務めた後退任、フリーに。自身のDVやモラルハラスメントを乗り越えた体験をもとに、自尊感情回復プログラムを伝える活動を展開。アサーティブネストレーナー・自尊感情回復ガイド、トゥルーカラーズジャパン(TCJ)認定ファシリテーター、アスク・ヒューマン・ケア ライフセンター講師、NPO法人協働プランニングNIMS専任講師、NPO法人アサーティブジャパン認定講師。

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小原 忠士
(小原整骨院 院長)

1964 年 倉敷市出身。地元である倉敷市連島で開院以来24年にわたり地域の皆様の健康に貢献してきた小原整骨院の院長。
柔道整復師としての技術力は当然、その穏やかな人柄で多くの患者に慕われ、スタッフからの信頼も厚い。2014 年6 月には株式会社エミリンクとして法人設立。
代表取締役となる。

俣野 浩志
(株式会社パッション)

岡山市出身。一般社団法人ウェブ解析士協会認定 初級ウェブ解析士。経営修士(MBA:香川大学大学院地域マネジメント研究科)。大学でマーケティングを学んだ後11 年間印刷・デザイン業界に勤務。2009 年に岡山県産業振興財団主催のベンチャー・ビジネスプランコンテストにて奨励賞を受賞。2013 年大学院にて「住民主体の体験交流型プログラムが地域社会に与える影響についての考察」というテーマで、NPO のまちづくりを研究した。

アサーティブは単にコミュニケーションスキルの一つではなく、それは生き方に通じるということです。

俣 野:
今回はコミュニケーションスキルの一つであるアサーティブネストレーナーである中野満知子さんとの対談ということで小原整骨院に来て頂いていますが、まずは小原先生と中野さんとの出会いを教えてください。
小 原:
中野さんとの出会いは、以前の対談でお招きした久本さんや万代さんと同じなんですが、10月に倉敷で開催された日本女性会議の分科会の講師として、中野さんをお招きしていまして、その事前ミーティングでお会いしたのがキッカケで、今回の対談をお願いしました。

中 野:
そうですね。日本女性会議での分科会はコミュニケーションというテーマでしたが、とても素晴らしい会になりましたよね。講師として参加させていただいて光栄でした。

小 原:
はい、私も分科会の司会を担当させていただいたのですが、とても緊張しました。でも参加してくださった皆さんが、笑顔で帰ってくださって嬉しかったですね。緊張した甲斐がありました(笑)。中野さんはアサーティブネストレーナーということですが、分科会では時間の関係で少ししか触れられ無かったのですが、少し詳しくお話しいただけますか。

中 野:
アサーティブに出会ったのは95年ですから、20年前ですね。当時の私には衝撃的だったんです。講座を受けたときに、「アサーティブの4つの柱」の一つに「誠実」というのがあって、その言葉にハッとしました。
 当時はフェミニズム運動が活発でした。1980年代に女性解放運動がはじまって、公民館では、婦人問題、婦人達を解放しようという啓蒙学習会が流行っていたんですね。その当時、私は子づれで再婚し、嫁として、夫やその家族との人間関係などが苦しくて…結構悩んでいたんです。そんな時、地域のコミュニティ新聞で講座の紹介を見つけて、それが「婦人たちよ立ち上がれ!」みたいな講座…確か「妻は夫のパンツのゴムの伸びる範囲でしか動けない」という表現があったんです。要は夫の稼ぎによって妻の行動範囲が決まる。夫がダメと言ったらダメ。当時は女性が働くことが一般的ではなかったんですね。夫の稼ぎの中でお料理を習ったり、おやつを作ったりすることが幸せという価値観だった。
 本来は、女性としても一人の人間としても、色々と活躍しなければいけませんよ、という講座だったんです。その時に、森田汐生さん(もりたしおむ:後にアサーティブジャパンを立ち上げ代表理事となる人物)がイギリスから持って帰ってきたのがアサーティブだったんです。
 そのアサーティブが素晴らしく、講座を開催しても参加者のみなさんからの評価も高くて、アサーティブを専門に伝えるようになったんです。
小 原:
なるほど、確かに当時は女性は専業主婦が当たり前でしたね。

中 野:
ええ、でも程なくして、婦人啓蒙運動が廃れてきたんですよ。女性自身の価値観が変わったとかではなくて、時代が変わったんですね、バブルがはじけて、夫の給与だけでは暮らせなくなって、女性も働かざるを得なくなった。皮肉ですよね。

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小 原:
確かに…背に腹は変えられないというか…根本的に解消したわけではないんですね。昔の女性解放運動というのは、男性や男性社会を敵視している印象が強いんですが、現在はそうではないですよね。しかしまだまだ女性の労働環境や社会的地位は改善しなくてはなりませんよね。

中 野:
そうですね。当時も社会に出ても苦しくなる女性が多かったんですね、男性中心の社会やビジネスというものに慣れていなくて、コミュニケーションも空回りしたり、なんだか女性にとって社会の中での居場所というものが見つけにくかったんです…でも、そんな状況においてこそ、アサーティブがとても有効であることに気がついたんです。
 時代に合わせて活動も変わっていきました…女性解放運動で繋がっていたグループも解散して、新たに男女共同参画が立ち上がりました。社会における女性の権利…ばかりを主張するのではなくて、お互いが対等な立場で尊重し合う社会を目指す…と言う方向ですね。
 そうなると、よりコミュニケーションの重要性が増します。そこでアサーティブトレーニングが良いんじゃないかということで男女共同参画関係での講座が、多く開催されるようになったんです。
 手応えを感じた私たちは、アサーティブはみんなが必要とするものだから多くの方に伝えていこうとで1998年に任意団体アサーティブジャパンを森田さんと二人で立ち上げました。その後2004年にはNPO法人となりました。
小 原:
私もアサーティブの講座に参加させてもらっていますが、分かりやすくすぐに実践できるスキルだと思いました。このスキルを多くの方に知ってもらうと、職場や社会がより良い方向に変わると思います。

中 野:
そうでしょう。アサーティブジャパンを設立してからは、それこそ北海道から沖縄まで全国を回りましたね。
小 原:
主にどんなところで講座を開催されているのですか。

中 野:
地域は全国各地です。 行政や病院、福祉施設や企業など。90分から2時間程度の短いものが多いですが、アサーティブトレーニングそのものは、基礎講座、応用講座、ステップアップ講座、アドバンス講座、トレーナー養成講座と先は長いです。
小 原:
なるほど。先ほど「4つの柱」というアサーティブの根本的な考え方に触れられていましたが、具体的にはどんなものですか。

中 野:
まず大切なことは、アサーティブは単にコミュニケーションスキルの一つではなく、それは生き方に通じるということです。その上で、アサーティブなコミュニケーションを取るときには、相手と向き合う時の心の姿勢として4つの柱を大切にしましょうといっています。それが「誠実」「率直」「対等」「自己責任」です。ここでいう「誠実」は、自分に対しても相手に対しても誠実であることなのです。私がハッとさせられたのは、自分の心に蓋をして、我慢して、全く自分に対して誠実でなかったと気づいたからなんです。
小 原:
自分がどう感じているか…ある意味、嫌なことや辛いことは、事実はそうであっても、それによって自分がどう感じているかをあえて明確にしないことが多いかな。なんだかモヤモヤと嫌な思いがする…くらいで。社会的な立場とか、上司や頭の上がらない相手とか、苦手意識を持った人とかを前にすると、やはり萎縮してしまいますよね…。

中 野:
はい、ですから「口に出すか出さないかは別として…」まずは自分の感情をしっかりと受け止めてみることです。

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小 原:
なるほど。その後の相手とのコミュニケーションについては、何かアサーティブ的なスキルはありますか?

中 野:
はい、アサーティブな伝え方をする上で、押さえておきたいのは、人間関係が悪化するのを恐れて、自分の要求、こうしたいとか、こう思うっている、とかを言わないことではなく…、また逆に、要求を通すために、上から目線やきつい言い方、頭ごなしに話したりすることではない、とうことです。自分の感情を相手にぶつけるのでも、その感情を飲み込むのでもなく、自分の要求や気持ちが相手に「伝わるように」伝える、ということです。伝え方なんです。
小 原:
アサーティブに伝えるというのは具体的にはどのように。

中 野:
まずは自分のコミュニケーションの癖を知ること、言いすぎたり、言えなかったり、遠回しな表現はしていませんか? 要求は一度に一つ、相手ができることを具体的に伝えます。なぜそれを伝えるかの気持ちの言葉も大切ですね。それに結構声の調子や、姿勢なんかも大事になってきます。

自分自身がイキイキと前向きに生きていれば、相手を批判することなく、隣も人もイキイキと生きて欲しいと思えるようになるんです。自分が幸せだと人に寛容になれるんです。

小 原:
なるほど、コミュニケーションが変われば、人間関係が変わって、自分らしく生きることができてきますよね。このアサーティブで人生が変わった人も多いのではないですか。

中 野:
そうですね。アサーティブでコミュニケーションを変えることで、人生が変わる人も多いです。喧嘩ばかりしていた家族が仲良くなった、上司との関係が良くなったなど、自分の生活を改善した人、職場の環境を良い方向に変えた人はたくさんいらっしゃいます。
 ただし、人間関係で傷ついた自分の感情を修復したり、自分自身を取り戻すことが必要になったりする方もいらっしゃって、そういう方には、いくら効果があるアサーティブとはいえ、限界があります。
 人は、苦しいことがあれば、他の人にいっぱい聞いて貰えば良いのになあと思うんです。赤ちゃんが泣くのと同じように、心の中にたまったネガティブな感情を吐き出せば、心が再生していきます。
 私自身、DVやモラルハラスメントなども経験しました。アサーティブで解決できることもありましたが、どん底の感情はいくらアサーティブでも無理。泣いてもいいし、悲しんでもいい。感情をうまく出せるように、しっかり聴いてくれる仲間のおかげで回復してきました。

 アサーティブジャパンの立ち上げ時から事務局長を務めていたのですが、今は退任して、認定講師として活動しています。それは、アサーティブ以外の様々なスキルや、癒しの場などを提供したいと思ったからなんです。講座に参加される方の中には、子育て中のママとか、マイノリティの方(社会的弱者と呼ばれる人たち)もいらっしゃいます。私自身、女性が元気になるように手助けしたいという思いがあるのと、そうした方たちを支援する活動をしている仲間たちとつながってもいるので、オフィス「想」ネットワークを立ち上げたんです。2010年ですから今年で6年ですね。
 オフィス「想」ネットワークは、様々な活動をしている方たちとのネットワークです。私は自尊感情回復トレーニングや自分の個性や魅力を知ることができるトゥルーカラーズ、そしてアサーティブを提供しています。身体を癒すアプローチではアロマやヨガ、ダンス、リンパマッサージ。シングルぺアレント・子育て・介護・引きこもりの方々が集える場を提供している方もいらっしゃいます。アサーティブはとてもわかりやすくて実践的なのですが、心が傷ついてしまっている人にはハードルが高いと感じる方もいらっしゃるんです。そういう多くの方を幸せにしたいという思いで、様々な入り口を用意しています。

小 原:
オフィス「想」ネットワークに参加された方で、その後の生活が大きく変化した方とかいらっしゃいますか。

中 野:
ええ、未来のビジョン、将来こうなりたいというワークをするのですが、それに参加した多くの方たちが夢を叶えています。自分の得意料理のお店を出したり、試験に受かった人もいます、アロマの資格を取りたいとか、養護学校の先生になりたいとか、私自身も夢を実現した一人ですから~自信をもってお伝えしています。
小 原:
辛い経験をしていない人でも、夢の実現というのは難しかったりしますが…そもそも諦めている人の方が多い…すごいですね。

中 野:
辛い経験をしているとか、していないとか、そういうことにフォーカスするのではなく、これから自分はどうありたいのかを考えれば良いんです。どうありたいかというのは、人それぞれで良いんです。人生において辛い経験をしてきた人は、マイナスからのスタートだと感じているかもしれません。そうかもしれません。でも人間として幸せをどう見つけるかとか、そういうのは人それぞれなんですね。それに夢を実現するには、やはり宣言することが大事だと思います。自ら言葉や態度を創造していかないといけない。漠然としていたら必要な人と出会っていてもわからないですから。
小 原:
重い言葉ですね。逆に辛い経験は人に深みを与えてくれる…そう前向きに捉えるべきですね。確かに、その時期を脱するまでは辛いでしょうけど…。

中 野:
そうですね。一人で解決することが難しいことも多くあります。共感してもらえる人がいるというのはとても大切です。諦めない、投げ出さないことですね。しんどい時は逃げてもいいと思うんです。でも諦めない、必ず良い方向に行くと信じて、焦ることもないですし、ゆるくいけば良い。
 自尊感情を回復すると、人の話を聴けるようになるんです。人って批判はしやすいですよね、上から目線でアドバイスすることもできる。でも本当に相手の話を心から聴くというのは、相手にいかに寄り添えるかなんですよ。私たちは無意識に色眼鏡で見ていることが多いでしょう?でも、自分自身がイキイキと前向きに生きていれば、相手を批判することなく、隣の人にもイキイキと生きて欲しいと思えるようになるんです。自分が幸せだと人に寛容になれるんです。
小 原:
れはよくわかります。自分が幸せでなければ、人を幸せにすることはできませんよね。一番身近な人、家族を幸せにできないのに、会社や社会に幸せをもたらそうなんてできませんよね

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中 野:
ええ。自分を大切にしてこそ他人を大切にできるんですから。
小 原:
はい。私自身、人間関係とかもほとんど悩まないタイプなんですが、なんだか今以上に良い人間関係が築けそうに思えました。今日はお忙しいところありがとうございました。勉強になりました!

中 野:
こちらこそ、楽しい時を過ごさせていただきました。ありがとうございました。

参考:NPO法人アサーティブジャパン http://assertive.org/
■オフィス「想」ネットワーク 事務局
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