
白瀧 宰啓
Aldostyle(合同会社Gran Soleil)代表
音声
■サポート(提供)
小原整骨院(倉敷市連島中央2-3-22)、株式会社パッション、株式会社アンスリール、オーセンティック合同会社、一般社団法人岡山アスレーテスクラブ、九九華聯 99ファーレン 倉敷、株式会社Peace
■挿入曲
愛をください / 徳永英明
第123回目のゲストは、地元倉敷でテーラーを営む「アルドスタイル」の白瀧宰啓さんです。「本当に価値ある商品を、皆様に」をモットーに、素材、スタイル、ディテールに徹底的にこだわった理想の洋服を追求し続ける白瀧さん。その熱い想いを、じっくりお伺いしました。

<前半:洋服に魅せられていた少年時代。価値観を揺さぶられたあるテーラーとの出会い>
小学生の頃から洋服に魅了され、大阪のデパートでDCブランドに触れながらファッションの世界に惹かれていった。中学生になると「ポールスミス」に夢中になり、店員との会話を通じて洋服の奥深さを学ぶ。高校時代には「アローズ」「シップス」「ビームス」などのセレクトショップに足を運び、ファッションの知識をさらに深めていった。そして、次第に「エルメネジルド・ゼニア」「キートン」「セントアンドリュース」などのハイブランドへと関心が移り、上質な素材や縫製技術の魅力に気づくようになる。
そんな中、大阪のあるテーラーとの出会いが彼の価値観を大きく変えた。「ブランドありき」の考え方が覆され、本当に価値のある洋服とは何かを見つめ直すきっかけとなった。そのテーラーから学んだのは、”質” と “作りの確かさ” が何よりも重要であること、日本のファッション業界は流行に左右されすぎており、本質を見失っていること、本当に良いものは大量生産できないこと——。それ以来、洋服を「消費するもの」ではなく「長く愛用し、価値を深めるもの」として考えるようになった。
<後半:大手企業を辞めテーラーとして企業するまで>
大学卒業後、大手小売業に就職。安定した企業で働けば幸せな人生が送れると信じていたが、実際の仕事は想像と違っていた。シーズンごとの転勤、不安定な生活、激しい価格競争、年中無休の業務、クレーム対応に追われる日々——。家族との時間も減り、子どもの成長を見届けることすらままならない状況に、次第に「このままでいいのか」と疑問を抱くようになった。
そんな中、思い切って妻に「会社を辞めて、ずっと好きだった洋服の仕事をやりたい」と相談。最初は驚かれたが、最終的には背中を押してくれたことで決意を固める。そして、2015年に「アルドスタイル」を設立し、テーラーとしての道を歩み始めた。
現在は、一人ひとりのお客様とじっくり向き合い、丁寧に仕立てたスーツを提供することにやりがいを感じている。流行に流されることなく、長く愛される一着を届ける。それこそが、白瀧さんが目指すテーラーの在り方である。
創業から10年を迎えた今も、「本当に価値のある一着を届けたい」という想いは変わらない。洋服を通じて、職人の技術を守りながら、着る人の人生に寄り添う。それが、白瀧さんが大切にしているテーラーの本質である。