
片岡 聡一
岡山県総社市市長
音声
■サポート(提供)
小原整骨院(倉敷市連島中央2-3-22)、株式会社パッション、株式会社アンスリール、オーセンティック合同会社、一般社団法人岡山アスレーテスクラブ、九九華聯 99ファーレン 倉敷、株式会社Peace
■挿入曲
第126回目のゲストは、市民目線の斬新な政策で総社を改革し、趣味のピアノの弾き語りでも市民を魅了するなど多才な一面を持つ片岡聡一市長をお迎えし、防災や障害者支援、空き家対策など市政に対する思いをお伺いしました。

<前半:走り続けて見えた景色 〜継続する力と市民とのふれあい〜>
片岡市長は、昨年8月20日から毎日欠かさずランニングを続け、302日連続を達成されました。最初は「このままではいけない」と思い立ち、エアコンの効いた部屋でだらけている自分を変えたいという気持ちから走り始めたそうです。
始めた当初は真夏の暑さの中、熱中症寸前になるほどで、民家に駆け込んで水や食べ物を分けてもらった経験もあるといいます。最初の5か月ほどは体重に大きな変化はなく、何度も心が折れそうになりながらも継続を選ばれました。その結果、72キロあった体重は現在64キロまで減少し、血圧も安定。健康管理の一環として、スマートウォッチで日々の数値を確認する習慣も身につけられています。
ランニングを通じて得られたのは、健康だけではありません。市民の皆さんとのふれあいもその一つです。たとえば、公園でラジオ体操をしているおばあちゃんに誘われて一緒に体操をしたところ、見よう見まねで動くうちに周囲の人たちも真似をしはじめ、公園全体が“自由体操”のような雰囲気になったこともあったそうです。
また、信号待ちの際には犬を連れた市民と会話を交わしたり、登校中の中学生から「市長、今日は258日目ですね」と声をかけられたりと、朝のひとときがあたたかな交流の場になっています。
市長が毎年訪れる100歳を超える高齢者への表彰でも「継続」の大切さを感じるといいます。100歳以上の方々には「肉が好き」「感謝の心がある」「毎日続けている習慣がある」といった共通点が見られ、市長はそれを自らの生活にも取り入れていらっしゃいます。
<後半:原監督との出会いと、知識で人を褒める力>
ある日、片岡市長は青山学院大学・原晋監督と総社市でプライベートに食事を共にされました。監督は「これは誰にも言うなよ」と前置きしながら、自身の過去を率直に語ってくださったそうです。
原監督はかつて中国電力に就職された際、周囲は東大や京大、阪大といった一流大学出身者ばかり。中京大学出身であった原監督は、その中で強い劣等感を抱えていたといいます。自身を「ゴミケラのような存在だった」とまで表現されるほどのコンプレックスが、今の自分をつくった原動力だと語られました。
そうした経験のなかで、青山学院大学の監督の話が舞い込み、「自分の居場所が欲しかった」とすぐに決意。当時は無名だった青学の陸上部を、箱根駅伝で8度の優勝へと導かれました。
片岡市長は、その話を受けて「とても共感した」とおっしゃいます。そして、そこから「褒める力」の話に移られました。かつて首相秘書官を務めた経験をもとに、「褒めるには知識と観察力が必要です」と強調されます。
たとえば原監督がスピーチを終えて席に戻ると、「今の、めちゃくちゃ良かったです」と伝える。たった一言のなかに、タイミングや内容を見極めた“おしゃれな褒め方”を込めることで、相手は大きな自信につながるのです。
「褒めることは、政治家にも一般の人にも共通する大切な力。知識と経験を積み重ねることで、相手の本質を見て伝えることができるようになる」と語る市長の言葉には、日々の実践がにじみ出ていました。
子どもたちや高齢者との自然なふれあいからも伝わるように、市長は市民の“ともだち”として、地に足のついた親しみやすい存在であり続けています。朝のランニング中に出会う「ナナちゃん」との可愛らしい交流も、その一端を物語っています。