2018.6.21 第42回 望月 太津友

アーティスト

望月 太津友

望月流名取、囃子「桜友会」主催

音声

■サポート(提供)

小原整骨院(倉敷市連島中央2-3-22)、こはら鍼灸整骨院(倉敷市平田615)、cocoro from 小原整骨院(岡山市南区下中野1407-6)、古閑俊行話し方スクール、株式会社パッション、株式会社アンスリール、オーセンティック合同会社、公益社団法人倉敷市シルバー人材センター
■挿入曲
オープニング曲:Jump / Van Halen
エンディング曲:Stand by me / Ben E. King
BGM:Happy Island / 押尾コータロー
■ゲストによるリクエスト曲
三番叟(さんばそう) / 千人鼓の会

第42回目のゲストは、日本の伝統芸能の一つである鼓や囃子の楽しさを後世に伝えるべく、地元だけでなく海外にも活動の幅を広げられている望月流名取である囃子「桜友会」の望月太津友さんをお招きし、日本の伝統芸能、鼓へのこだわりや情熱、普及活動について、お話をお伺いました。 

日本舞踊や能、神楽、長唄、歌舞伎など、その囃子で使われる楽器に小鼓がある。しかし、現在の生活では、邦楽を耳にする機会は少ない。その道に携わっている人くらいしか日常的に耳にしない。だが、年に一回は誰でも目にする機会がある。お雛様の五人囃子、大鼓、小鼓、太鼓、笛、唄い。まだ日本の伝統芸能も慣習としてしっかりと息づいている。本来の意味からは離れてしまっているかもしれませんが、それでもこういう慣習を大事にしているということ自体嬉しい。

 初めて触ったらよくわかるが、とにかく鳴らない。それをいかに鳴らすのかが魅力。鼓は個人で打つこともあるが、集団で打つことも多い。その時、奏者が一斉に心一つにして一つの音を出す。これは見応えがある。息を揃える。綺麗な音が出せるようになって、みんなで気持ちを揃えて演奏できた時、それは震えるくらいの感動がある。それが醍醐味です。それと無音部分の独特の緊張感。無音部分があるからこそ、鳴っている時の音を引き立たせることができる。 

鼓は構造自体はシンプルだが、音に表情がある、強弱だけではない。このシンプルな構造が大切。鼓は普段はバラバラに保管する。2枚の皮の部分「表と裏」と「調べ緒(しらべお)」という紐の部分、それから「鼓胴(こどう)」と呼ばれる、砂時計のような形をした音を共鳴させる部分。特に鼓胴の独特の形が音質とか音量を決定する肝にあたる部分で、ここの“くびれ”が音も美しくなると言われている。小鼓は調べ緒を握る左手のかげんと指の当て方で微妙な余韻をつくることができる。この2つを組合せることで小鼓独特の音の空間がつくりだせる。小鼓は4つの音を出す。「ポン」、「プ」、「タ」、「チ」。この4つの音と無音部分で表現する。鼓の音は小気味良いというか痛快で耳あたりの良い音。でもしっかりと“和”の音で、西洋の打楽器ではこの音色はない。こういう音を心地よく感じるのは日本人ならでは。 

「千人鼓の会」は望月太津三郎先生の発案。2020年東京オリンピックの開会式で、千人鼓で『三番叟(さんばそう)』を演奏して祝賀することを目標にしている。それを機に囃子の普及につながればと…その一つのチャレンジがオリンピックでの演奏。平成31年に、歌舞伎座で200人を集めて演奏する計画がある。こんなことはまずないので、師匠はギネスに申請するつもりでいる。200人でできたなら1000人でもできるのでは!ということで現在、流派を超えて奏者を募集している。ありがたいことに全国から名乗りをあげてくれている。 

このまま何もしないでいたら、日本の伝統文化は誰も目に触れないかもと思うほどに衰退してしまう。それは本当に寂しいこと。伝統芸能も技術的なことだけではなく、それを育んだ文化や日本の心という部分もしっかりと伝えて行きたいと考えている。

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